求道館について

全沖縄少林寺流空手道協会 一器水瀉一器

およそ生きとして生けるものの中で、文化とよばれる生活の体系をもつものは人間だけである。人間の社会は文化を創出し、それを生活しうる唯一無二の有機的なものである。

文化の営みとしての生活の発展が約束されるのは何時でも、何処でも、だれにでも伝達しうる知識の体系があり、物事の理非曲直を判断しうる能力が人間固有の属性としてあるからである。だから、我々は物事の真理とは何かを判断し、その価値の何たるかを理解しうるのである。

人間はお互いに真理を求める心で結ばれている。物事の存在の核心には必ず真理がある。その真理を人間が求めるのは、「日々是向上」という考えを人間はもつからである。人間は生きている限り、常に努力精進、創意工夫して、無限の理想に向かって、無限に向上していくべきだと考える。この向上論こそ真理探究の源泉である。

理想を求め、向上を求めるための真理究明の方法は色々ある。私の30坪の道場「求道館」は空手修業者のみの修練の場ではなく、農民たち、漁民たち、商人たち、工人たち、子供会、青年会、婦人会、老人会等々各界各層の人々が集って、それぞれの理想の道、向上の道を求めるための相互研修の場である。

各人各様、道を求めるための場とし、より多くの人々に利用してもらうために、わが道場は常時開放されている。真理の探究の場として、社会的に役立てばという希望と期待を込めて、わが道場を「求道館」と命名した。

仲里常延



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