八つの型の特徴
- 1.アーナンクーの型
- 少林寺流のみが継承している型で、1925年(大正14年)喜屋武朝徳先生が台湾への武者修行で「行脚」なされた時、現地の達人より伝授された型で、手刀受け、双手受け、連突き、猿臂等の形(技)が含まれ、最初に教授される型である。
- 2.セーサンの型
- 特に前半では腹式呼吸を意識して行い(肩甲骨を下げ)、呼吸と攻防の密接な関係を体得する。裏拳打ちや忍び足での前蹴り等の形(技)が含まれ時間をかけて鍛錬する型である。
- 3.ナイファンチの型
- 丹田に力を入れ、裸馬に乗った姿勢で両太ももを締めながら行う。形(技)に変化は少ないが、特に下半身を鍛える型である。
- 4.ワンシューの型
- 独特の手刀受けの形(技)、内受け、肩車の投げ技が含まれている型である。
- 5.パッサイの型
- 相手を誘い、掌底で顔面を攻撃、闇夜に忍び足で相手を探り位置を確認する形(技)、足刀による間接への攻撃などの形(技)が含まれている型である。
- 6.ウーセーシーの型
- 手刀受け、背刀受け、連続貫手、羽交い締めへの攻防、双手受けから双手突きなどの形(技)が含まれている型である。
- 7.チントーの型
- 二段跳び蹴り、鶴の岩立ち(転身後の蹴り技)など高度の形(技)が含まれている型である。
- 8.クーサンクーの型
- 特に、「空手に先手なし」の理念を最初の形(技)で表現する。足刀横蹴りが随所にある。総仕上げの型で、五段以上を取得した者に伝授される型である。
- 9.徳嶺の棍
- 少林寺流のみが継承している型で、棒の長さは六尺。連続受け攻撃、貫技や突き技を多用する型である。
少林寺流の指導理念
- (1)
- 楷書の「稽古」であること
- (2)
- 攻防の形(技)は近道を通る(道は近きにあり)
- (3)
- 瞬発力(迫力)がなければ空手ではない(徒手体操である)
- (4)
- 一撃必勝の信念を持ち、その域に達すること
- (5)
- 空手に先手なしの教えを、形(技)の中で表現すること
- (6)
- 型の「稽古」は、鍛練法である
- (7)
- 「一器の水を一器にそそぐが如し」の禅の教えに徹すること
注:形(技)を集大成したのが型である。